『災難』

KA・I・MA・SHI

と昭和アイドルの応援チックに冒頭からなにやらなんやからとほざいている凸凹でございます。

わけがあって携帯をFOMAFOMAへの買い増しをいたしました。

実は先代の別れた元携帯は2ヵ月ぐらい前からボタンキーを押してもたびたび反応動作がないという不具合が無差別タイム&シチュエーションで発生していたのです。

スムーズな携帯操作が出来なくなるにつれストレスが凸凹の眉間の縦皺数となってあらわれていました。

でも、まーこれくらいのトラブルならしゃーねーかと現実を受けとめ、今までの快適携帯ライフよさらば!と特急電車に乗って去ってゆく彼女を駅のホームからただただ眺めるしかなかったのです。

これからは遠距離恋愛か…と落胆しつつ、これからの関係も大切に築いていこうとゴミ屋敷なみに散らかってた気持ちを整理した矢先にずがーん。

液晶が映りません。まっくろくろすけ

うおっ電話もメールもできねえ!着信や受信があると携帯が

ブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブブッ

とバイブで振動するだけというある意味ホラーな感じ。ポケベルより劣る存在なんですが…

自分不器用ですから…な高倉健スタイルはなんですか!不器用にもほどがあります。

こりゃコメカミから頬へと漫画の焦り表現的に汗がたらりだらりとたれますわな。

もしショートケーキに魅惑のつぶつぶ苺ちゃんが鎮座してなかったら、ケーキ自体はもはやショートケーキと呼べんだろと…この携帯電話もその名前で言っちゃいかんのです。

世界がもし100人の村だったら全員から、こんなの携帯電話じゃねえ!と中指立ててペッと唾をはきまくるブーイングの嵐ですよ。

これはイカン。かなりイケテない状態といいますか完全にイケテない。

こんな関係修復不可能な状態なら誰だって別れて新たな携帯ちゃんを迎えいれますわな。

で新たに付き合いだした携帯がででーん。

P901iTV

そう、てぃーぶいです。時代はワンセグなのです。カラーは、もちホワイト。

私の中の彦摩呂が、「これは携帯のIT革命や〜」とエコーをつけた感じでシャウトしておりましたので購入したのです。

これでトイレにいようがベッドにいようがTVエンジョイ生活なのです。

それにイヤホンして携帯でテレビ鑑賞してたら、あら不思議。周りからはiPodを持っている人に見えるではないですか!

これからは「あらっあの人iPod持っていますわ、素敵♪」と逆ナンされM字開脚的なワンナイトラブが繰り広げられる可能性大です。

でも、リアル話でいいますとワンセグ凄いです。今までのアナログとは比べものにならないくらい映像が鮮明に映りますし、移動中でも地下鉄は無理ですが東横線では快適にTV鑑賞できました。

これからカーナビなどにも搭載されるし、変わったところではニンテンドーDSにつなげて見れるワンセグチューナーも発売予定とブレイク前夜のようですな。夜明けはちかいぜよ。

いやー久しぶりにいい商品を買ったなと…思ったんですがね。私がワンセグ携帯を持っていた為に…持っていたが為に…ある災難に追突事故的に被害を被りました。

渋谷で遊んだ帰りに東横線に乗ってた時の事です。今日は座って帰りたいなと快速じゃなく各駅電車に乗ろうとした選択が悪かった。

予想通りに渋谷始発から乗る人々の大半は快速がくるホームへと流れていて各駅電車を待つホームには人がぽつりぽつり。

ですので楽々と座る事ができたのです。そう勝ち組。乗車・約23分間の勝ち組ですよ。

ふぃーさてさて座れたし、じゃあー下車駅までワンセグりますか〜と携帯をパコッと開いてTVを見ていましたら、車内の座席は、まだ空席が目立つというのに、私自身が磁力を帯びているのか、すぃーと吸い付かれてきたかのように、おっちゃんが隣りにピトッと座ってきたのです。

ぷわゎぁ〜ん。

…訂正します。

酒臭い酔っ払いのおっちゃんが座ってきたのです。

で私の持つ携帯に興味があるのか覗いてきたのですが、まっワンセグ携帯デビュー2週間の経験から先に話しますと凸凹というブラピ似のA氏が座席に座っていてTVを見ていたとします。

そして、その隣りにB氏という見ず知らずの他人が座ったとします。

そして数分後にA氏がTVを見てるのにB氏が気付く。

大抵こういう場合は、おっワンセグか〜という薄リアクションから、たまにこちらをチラ見するB氏…

という行動でとどまる事が多かったのです。

そこにはA氏とB氏は他人でございますという理想的な距離感が生まれ心地好い関係があるのですが…

あるはずなのですが、しかーし!

この時隣りに座ったアルコール残留濃度高めな…呼気中のアルコール濃度0.15mg/Lバーをベリーロールで軽々とこえてそうなおっちゃんは座ってものの3秒ぐらいで、こちらをぐいっと覗いてきて「おっワンセグじゃねーか!」と言ってくるではないですか。

感覚でいいますとチラチラのチ…の時点で、このおっちゃんの顔は右斜め45度を向いたままコルセットされてるように動かない。

この包み隠さずな真っ裸の興味津々度。これをなせるのは、すべて、えーえー私は酔っ払いでおりますョという免罪符を手に入れてるからなのです。

酔っ払っているから多少の事は許してチョンマシソヨーという感覚なんでしょう。小憎らしいの小を取り除いた感情が凸凹の中でぐつぐつ煮立っています。

あー嫌な人が隣りに座ったもんだよと灰色の気持ちを小さなため息に含ませて、口からもはーと出してガス抜きしてたら…

「おっ巨人勝っているのか?」と聞いてきます。

「えっ?」…そう、私の手の中にある携帯の2.5インチの液晶には仁岡が映っているのです。

私のチャンネル選択が偶然にもおっちゃんの真っ裸の興味津々の脇腹をコチョコチョとくすぐってしまっていたのです。

しっしくったーと思った時には、すでに遅く次々と質問してきます。

「これっ画面小さくない?大きくできない?」

えええ!?何この神出鬼没なクレーム、この神出鬼没なフレンドリーさ。

ブレイン拳銃の理性という安全装置をはずして本能のおもむくまま言いますぜ弾をガンガン私に打ち込んで話し掛けてくるのです。

気がつけば他の乗車客の視線を私とおっちゃんで二人占めなのです。そして、私にはああっ可愛そうにと憐れんだ目もオプションで向けてくるのです。

さて、このB氏への対応をどうするべきかと悩みましたが、まぁ…降りるまでの数十分の我慢だし下手に刺激しない方がいいかなとおっちゃんの巨人戦感想にあわせて「はぁ…」「まぁ…」「そうですよね〜」という三大受け流し言葉を駆使して、マトリックスまたは06年・冬季オリンピック開催以降だとイナバウアー的に避けていたんです。

たまに巨人の選手が打てなかったらああーと一緒に残念がってるふりをしたり、おっちゃんとの距離感をつかみ、余裕がでてきて、次の駅、次の駅へと我慢してまっせバトンを次の凸凹走者へと継承してやり過ごそうとしたのが悪かった。

原監督のアップになった時、調子にのって、やはりジャイアンツ愛ですねと話しをふってしまったのです。

キラン

その時、おっちゃんの目が光ったように感じたのです。

んーおじさんジャイアンツ愛も好きだけど男も好きだな〜と手にタッチしてきたのです。

私の中のよからぬ声にならない声が、じょびじょばーぎゃぎゃぎゃああーん!

濁音過食症な声がでそうになります。

がははっ!冗談!冗談!といいながら手を離しても、その酔って潤んだ目を見ると本当か冗談か、どちらの選択肢がファイナルアンサーなのかわかりません。

ヤバイ。軽くない感じでヤバイのです。私のシックスセンスがざわざわとざわついているのです。

このままだと生涯守ろうとしている菊門が、ヒャッホーと叫びながら、おっちゃんが違う銃…社会の窓からこんにちは♪な銃を打ち込んでくるかもとしれないのです。

凸凹の胸のカラータイマーが物凄い速さで点滅です。

「あっここで降りますんで」と本当は降りるはずのない駅で降りる私が3分後にいました。

「そうなの?」と残念そうな親父。

なんですか!「ポチごめん、今日は雨だから公園に散歩しにいくの中止な!」

と柴犬がご主人様からサクッと衝撃的発言をされた時の顔に似た表情は!

そんな表情をされても、ここは冷静に中田英寿イチローのクールさを鍋にいれ、とろ火で3時間ほどコトコトと煮込んだ濃厚なクールさで

「ええ、そうなんですよ。申し訳ないです」と軽く体育会系のちゅっす!なお辞儀をして足早に降りようとする私に、おっちゃんが一言。

「じゃ、また」

ナチュラル笑顔でいただきました。

またってどういう事ですか?ありえないです。

インターネットでミス日本と検索して山田花子の文字がヒットするぐらいのありえなさ加減なのですよ。

駅のホームで、おっちゃんを乗せた電車が小さくなってゆくのをぼーと見つめながら、反比例して自分の中で敗北感が大きくなってゆくのを感じました。

うぬぅ〜